吹付ウレタン原液の大幅な供給不足により現場吹付ウレタン断熱工事への影響が出ています。
金属サイディングメーカーでも販売休止や出荷調整などが起こっています。

<ニュースリリース>

〇2021年11月24日・1月27日 日本ウレタン断熱協会
〇2022年 1月28日・1月31日 日刊鉄鋼新聞
〇2021年12月 3日 日刊建設通信新聞
〇2021年12月 7日 化学工業日報

年度末を前に、ビル・マンションの ”現場吹付ウレタン断熱工事が遅延”

発泡剤(HFO)の製造元である米国ハネウェル社が昨年8月と9月の二度にわたるハリケーンの被害を受け、 発泡剤の生産が停止し、9月2日にフォースマジュール宣言を発表致しました。 この影響により発泡剤の原液の供給が通常の50%以下まで減少し、現場での吹付ウレタン断熱工事に影響が出ています。 また、難燃剤・整泡材の原料を輸入している中国での電力不足。さらに世界的な資材不足の影響で、 原液の主原料となるイソシアネートも品薄状態になっている事から、年度末に向けて吹付ウレタン断熱工事の遅延が予想されています。 吹付ウレタンはビルやマンションの壁面断熱工事の主流で90%以上を占めていることから 建築現場では代替品への変更や工期について早急な対応が求められています。

金属サイディング ”原材料不足で供給制限、販売休止も発生”

金属サイディング市場は需要堅調で推移していましたが、昨年秋以降のフッ素樹脂塗装鋼板の供給制限に続き、 芯材に使われている硬質ウレタンフォーム断熱材の発泡剤「HFO」の供給が大幅に不足してきた事から、 同材料を使用した金属サイディングの製品供給がさらに深刻化しています。 金属サイディングはフッ素樹脂系の塗装鋼板を表面材とした商品比率が最も多く、 関連商品の一部販売休止や、表面材をその他塗装鋼板へ切替えるなど対応に乗り出していますが、 更に芯材の一つであるHFOを使用した硬質ウレタンフォーム原材料の入手が困難になってきた事で 一部金属サイディングの生産にも影響をおよぼしています。 金属サイディングは軽量で施工性が良く断熱性能も高い事から、 住宅リフォームを中心に年々採用が増えており事態の打開が急がれています。

*上記各社ニュースリリースを参考。